くちびるに歌を2
そういえば、「唇に歌を」という詩がありました。この映画を見た後で、ふと、この言葉を思い出したのです。そこで、Googleで検索してみると、山本有三の「心に太陽を」という詩の一部であることがわかりました。旧仮名遣いで書いてあるので、読みにくいかもしれませんが了承ください。
唇に歌を持て
ほがらかな調子で
日々の苦労に
よし心配が絶えなくても
唇に歌を持て
さうすりゃ何が来ようと平気じゃないか
どんな寂しい日だって
それが元気にしてくれる
そうなんです。どんなときでも、たとえ苦しいとき、悲しいときでも、唇に歌があれば、いや声になって出てこなくても、頭の中でメロディーがなっている限り、絶望の谷底に陥ることはないのです。
今このように言うのは、じつはここ数ヶ月の間に、私自身が大事なことに気がついたからです。極端に疲労したとき、人間の頭からメロディーがなくなっているのです。
夜中に目が覚める。そのとき、なんらかのメロディーが浮かんでくるときには、すぐ眠りに入ることができます。しかし、苦しいときには、メロディーが浮かんでこないのです。まったくの空白なのです。いや真っ黒な暗闇だといっても良いでしょう。こうなると、寝付かれません。羊が一匹二匹、いや百匹でも二百匹でも、とうていダメでしょう。
このことに気づいてから、朝起きたときには、カーペンターズを聞くことにしました。朝食の準備をしながら、あるいは、コーヒーの豆を挽きながら、メロディーを頭にぶち込んだのです。
夜中に目が覚めても、メロディーが浮かんでくると、それを追っているうちに自然に眠りにつくことができます。
モーツァルトの癒しの音楽でも、同じことがあるかもしれません。しかし、人間の声のほうが、頭に残りやすい。それが新しく発見したことです。
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